



エルダーベリー(和名:西洋ニワトコ)は、ヨーロッパ、北米に広く分布するスイカズラ科ニワトコ属の高さ2〜3mの落葉低木で、春に白い花が咲き、夏から初夏に濃い青紫色の実をつけます。
花はマスカットのような香りを持ち、ヨーロッパでは衣を付けて揚げたり、グラニュー糖をまぶしてデザートにするなど、食用としても親しまれ、果実はパイやフルーツソース、ゼリー、ジュースなどに加工したり、ワインの原料にもなります。また、果実の色素や果汁は飲食物の着色料としても用いられています。
エルダーベリーの果実は、ビタミンA、ビタミンCの他、アントシアニン、ルチン、イソケルセチンなどのフラボノイドが豊富で、タンパク質の一種であるレクチンも含まれ、高い栄養価が認められています。

エルダーベリーは、ローマ時代以来、ヨーロッパでは「万能の薬箱」とも呼ばれ、民間薬として花と果実以外にも樹皮・葉・根など、すべての部分が使われてきました。

薬草としての歴史も古く、紀元前5世紀に医学の父・ヒポクラテスが使用したという記述が残っているそうです。
エルダーベリーは日本のニワトコの近縁種で、日本ではニワトコの枝や幹などを外用薬として打撲や骨折に用いたことから、接骨木(せっこつぼく)とも呼ばれています。
また、エルダーベリーの花と果実は古くから風邪の民間療法に活用されてきましたが、近年の研究で、インフルエンザに対する有効性を示唆する結果が出ています。

食用として、民間薬として親しまれてきたエルダーベリーですが、ヨーロッパでは様々な伝説や迷信が存在し、魔除けや災いから守ってくれる植物として、枝や幹などの木部を扉や窓に吊るしたり、棺に入れたりしていました。
また、小さな布袋に、エルダーフラワーを入れて身につけていると、身にふりかかる災いを防ぐお守りになると言われています。
さらには、エルダーベリーの茎と葉を煮出した液には防虫効果があるので、アリの通り道などに撒いておくとよいそうです。 まさに、万能の植物ですね。
生では酸っぱくてたくさん食べられなくても、美しい色のジャムやゼリー、フルーツソース、また、料理のアクセントに加えて、美味しく美容と健康に役立てたい果実です。




